患者の爪傷害事件初公判、虐待か看護かで真っ向対立
(読売)
北九州市の北九州八幡東病院の元看護課長が入院中の認知症患者2人の足の爪を傷つけたとされる事件で、元看護課長の初公判が6日、福岡地裁小倉支部(田口直樹裁判長)で開かれ、検察側は「職場でいらだちを募らせた上、現実からの逃避などのため患者の爪を剥離(はくり)した」と主張した。これに対し、弁護側は「爪を切っただけ」と起訴事実を否認して無罪を主張し、真っ向から対立した。
傷害罪で起訴されているのは、元看護課長上田里美被告(42)(北九州市八幡西区小嶺台1)。
検察側は冒頭陳述で、剥離を「爪をはがすほか、浮いている爪を切除する行為も含む」と説明。動機について「職場の人間関係や仕事上のトラブルに煩わしさを感じ、いらだちを募らせた上田被告が、患者の爪を切ってはがす行為に没頭することで現実から逃避し、行為自体の楽しさを求めて剥離するようになった」と主張した。
一方、弁護側は冒頭陳述で「浮き上がってシーツに引っかかりそうな爪を切ったり、ばんそうこうを除去した際に一緒に爪も取れたりした」と反論。出血したとされる点も「仮に出血が生じたとしても浮き上がった爪をケアする必要性があった。よりよい看護を提供したいという責任感に基づく看護行為」と述べた。
この後、検察側証人として、同僚の女性看護師2人が「爪がはがれた跡には血がにじんでいた」「出血を伴って患者に恐怖を与える行為は、ケアとは言えないと思う」などと証言した。
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